第1幕
◆クリスマスパーティー◆
ドイツの小さな町のクリスマス・イブのことです。
スタルバウム町会議員夫妻はお客様を招いてクリスマスパーティーを催しました。娘のマリーもその兄のフリッツも、毎年このパーティーをとても楽しみにしていました。
子供も大人も大勢集まり、パーティーもたけなわ、マリーの名付け親であるドロッセルマイヤーおじさんがやってきます。この風変わりな老人は、手品を見せてくれたり大きな自動人形を動かしてくれたり、いろいろと子供たちを楽しませす。
女の子達がプレゼントの可愛いお人形で遊ぶ中、マリーはなぜかおじさんの持ってきてくれた奇妙でみにくいくるみ割り人形に心ひかれます。しかし、楽しい時間は早く経ち、気がつくと子供たちはおやすみの時間そして、パーティーもお開きとなりました。
シーンと静まり返った客間に興奮さめやらぬマリーがひとりおりてきます。
もう一度あのくるみ割り人形を見たかったのです。そっとくるみ割り人形に近づき「おやすみなさい」を言うと、マリーは、そのまま深い深い眠りに入っていきました。 |